30年間賃金が上がらない国「日本」:第三次産業との関連性に対する考察
第三次産業とは?
古典的な産業分類の一つ。第一次産業にも第二次産業にも分類されない産業のこと。
経済学者のコリン・クラークによれば、小売業やサービス業などの無形材がこれに該当する。これらの産業は商品やサービスを分配することで富を創造することに特色がある。
具体的にどのような産業が、第三次産業に分類されるのか。
以下の通りです。
- 大分類F 電気・ガス・熱供給・水道業
- 大分類G 情報通信業
- 大分類H 運輸業、郵便業
- 大分類I 卸売業、小売業
- 大分類J 金融業、保険業
- 大分類K 不動産業、物品賃貸業
- 大分類L 学術研究、専門・技術サービス業
- 大分類M 宿泊業、飲食サービス業
- 大分類N 生活関連サービス業、娯楽業
- 大分類O 教育、学習支援業
- 大分類P 医療、福祉
- 大分類Q 複合サービス事業
- 大分類R サービス業(他に分類されないもの)
- 大分類S 公務(他に分類されるものを除く)
- 大分類T 分類不能の産業
1980年代から、第三次産業が日本の中心産業になり、年々上昇。
2015年には第三次産業の従事者が71.9%になりました。
「産業別就業者割合の推移」
この15年で日本の産業構造はどう変わったのか? | 大正大学地域構想研究所
しかし、日本は1990年代からほとんど実質賃金が上昇していません。
1980年代以降、第三次産業へ上手く移れていたら、30年間賃金の上がらない国になんてなっていなかったはずだと考えます。
失われた30年をどのように取り戻すか。
そのカギを握るのが、第三次産業のいわゆる無形材による労働市場だと考えます。
このまま、失われた40年、50年と続いていってしまい、日本は先進国ではなくなってしまうのか。
今まさに、この問題に向き合うべき時期に差し掛かっていると思います。
参考文献